Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

『だから自分だけ幸せなのも何か申し訳なくてさ…チャンス作ってやりたいんだよ!!』


「昴君…」

昴君との初デート楽しみだったけど
杏ちゃんと一緒に行けるならそれでもきっと楽しいよね

「うん。いいよ♪杏ちゃんに聞いてみるね?」

『マジで!萌音ありがとう!!俺達は来年絶対二人だけで行こうな…』

「うん…」

来年も…

昴君が何気なく言った一言が私には嬉しくてたまらなかった


『じゃあ沢田の事頼みます…』

敬語で話す昴君が可愛くて笑いながら

「はい♪」

って返事をした








私が昨日の事を思い出して居ると杏ちゃんが頭を小突いた

「痛い!!」

おでこを押さえて前を見ると


「何思い出し笑いしてんの♪♪」

って笑いながら言った


「彼氏の事でも考えてたんだ??」

丸ぁるい瞳をクリクリさせながら意味ありげに聞いてきた


「そっ…そんな事無いもん!!」

ケラケラ笑う杏ちゃんを私は改めてよく見た


ピンクブラウンに染めた胸まである長い髪

厚めの前髪から覗かせるクリクリの大きな二重

口元にある小さなホクロが色っぽい

杏ちゃんは美人なんだよね…


名波君だけじゃなくて隠れファンが結構居るのも知ってるんだよね


高校に入って杏ちゃんが誰かを好きって聞いた事ないな

「萌音??話しの続きは??」

杏ちゃんに聞かれて私は我に帰った


「ごっ…ごめん!!実は夏祭りに一緒に行って欲しいの??」

「えっ!!何で!!」

杏ちゃんは驚いて理由を聞いてきた


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