Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「てか、ごめんな…沢田…俺の為に来てもらって…」

名波君が隣に居る杏ちゃんに声を掛けた

「ううん!!私こそ、お祭り行きたかったから嬉しいよ!!」

少し頬を染めながら杏ちゃんが嬉しそうに答えると
名波君は幸せそうな顔で微笑んだ

本当に杏ちゃんの事好きなんだな…

二人は両思いなんだから今日がチャンスなんだよね

名波君頑張ってね!!


私が心の中で名波君にエールを送っていると

「じゃあ行くか!!」


って昴君が笑顔で言った

「うん!!!」

それを合図に私達は自然に昴君と私、杏ちゃんと名波君に別れて歩き出した



昴君と並んで歩いていると昴君が私をジッと見つめてきた

「なっ…何??」

恥ずかしくて赤くなりながら聞くと
浴衣を指差して

「それ…ヤバイ位可愛い…」

って言われたから赤かった顔がもっと赤くなった


やだっ…恥ずかしいけど褒められて凄い幸せだよ…

「ありがとう…駿兄っ…えと杏ちゃんのお兄ちゃんが髪の毛とかセットしてくれたの…」

「駿兄??」

私の言葉に反応して顔を覗き込んでくる

「うん…杏ちゃんとは中学から仲良くてね、だから駿兄は私の事も妹みたいに可愛がってくれるんだよね…」


「ふーん……」

何だか少し素っ気ないような気のない返事を返してくる


えっ…なんか悪い事言ったかな??


< 63 / 236 >

この作品をシェア

pagetop