Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「てか、ごめんな…沢田…俺の為に来てもらって…」
名波君が隣に居る杏ちゃんに声を掛けた
「ううん!!私こそ、お祭り行きたかったから嬉しいよ!!」
少し頬を染めながら杏ちゃんが嬉しそうに答えると
名波君は幸せそうな顔で微笑んだ
本当に杏ちゃんの事好きなんだな…
二人は両思いなんだから今日がチャンスなんだよね
名波君頑張ってね!!
私が心の中で名波君にエールを送っていると
「じゃあ行くか!!」
って昴君が笑顔で言った
「うん!!!」
それを合図に私達は自然に昴君と私、杏ちゃんと名波君に別れて歩き出した
昴君と並んで歩いていると昴君が私をジッと見つめてきた
「なっ…何??」
恥ずかしくて赤くなりながら聞くと
浴衣を指差して
「それ…ヤバイ位可愛い…」
って言われたから赤かった顔がもっと赤くなった
やだっ…恥ずかしいけど褒められて凄い幸せだよ…
「ありがとう…駿兄っ…えと杏ちゃんのお兄ちゃんが髪の毛とかセットしてくれたの…」
「駿兄??」
私の言葉に反応して顔を覗き込んでくる
「うん…杏ちゃんとは中学から仲良くてね、だから駿兄は私の事も妹みたいに可愛がってくれるんだよね…」
「ふーん……」
何だか少し素っ気ないような気のない返事を返してくる
えっ…なんか悪い事言ったかな??