Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

少し悲しくなって俯くと昴君がスッと下に視線を落として口を開いた

「もしかして萌音の初恋って駿兄??」


へっ??
ポカンとしていると更に言葉を繋げた

「だって、中学生位の時って年上のお兄ちゃんとか憧れるだろう…俺の姉貴もそうだったみたいだし…」

眉間にシワを寄せながら機嫌悪そうに話してる


ち!違うよ!!だって私の初恋は昴君だもん!!


心の中で叫んでみたけど本人にそんな事言えるわけもなくて

ただ一言

「それだけは無い!!」

って否定した

昴君は納得していない様子だったけど

私がどうしていいか分からなくてオタオタしてたら

可笑しくなったのか急に笑い出した


「えっ?えっ?」

不思議そうに見つめる私に静かに近付いたと思ったら

耳元で…

「萌音の初めてのキスは俺??」

って聞いて来た


一瞬にして心臓が跳ね上がって頭が真っ白になった

その顔を見て意地悪く笑いながらまた耳元で


「当たりだ??」

って囁いた……

これ以上言われたら死んじゃうって思うくらいドキドキしてたら

一歩前に出て私の顔の高さまで腰を折り曲げて

「じゃあいいや。この後の萌音の初めては全部俺のだから、初恋は駿兄にくれてやる♪♪」

って言いながらそっと手を出して

「ほら、初浴衣で初お祭りデートに行こう♪」

って眩しい位の笑顔で私の手を取った

ギュッ握られた手から昴君の愛情が伝わってくる気がして
私は幸せな気分に包まれた

こんなに素敵な人が私の彼氏でいいのかな…

なんて考えながら私達は仲良くお祭りがやってる場所まで歩いていった




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