Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
そっと触れられた手を私は握り返し
昴君を見て二人で笑いあった
「あっ!!じゃあさ…」
昴君が何かを思い付いたように話し出した
「携帯でこれ持って写真取ろうぜ!!」
「写真??」
首を傾げて聞いた
「そう!お互い相手の名前が書かれたせんべい持って、撮るんだよ。そんでそれ待受にしようぜ!!」
待受……
なんか…いいかも!!
「うん!!する!!」
私が嬉しそうに返事をすると昴君は私の手を握ったまま
屋台の間の路地に入り込んだ
それからお互いに携帯で相手の写真を撮った
「萌音いくよ。」
「うん。」
どうか変な写りになりませんように!!
だって昴君の携帯の待受になるんだもん、少しは…
ううん!!かなり可愛く写りたいんです!!
−−パシャッ!!
「撮〜れた♪」
携帯を離して私に笑顔を向ける
「みっ!見せて!!」
近付くと
「何そんなに慌ててんだよ…」
不思議そうにしながらも携帯を見せてくれた
あっ…良かった変じゃない…
あからさまにホッとしていると
「変な萌音♪♪」
って言いながら私の頬っぺたを突いた
だってぇ…
女の子には写真写りは重要なんだもん
「さて、そろそろ名波達の所戻るか」
昴君が私の顔を覗き込んで言った
「うん♪♪」
私達はまた手を繋いでお祭りの流れに入った