Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
いきなり会って図々しいかな…
不安な気持ちで様子を伺っていると
包みが手からヒョイッと離れた
「マジで!!ありがとう!!」
大羽君は嬉しそうに包みを開けて
口一杯にイフォンケーキを頬張った
「旨めぇ!!」
キラキラの笑顔がこっちを見つめていて
何だかくすぐったい気持ちになる
「本…当に??」
「うん。すげぇ旨かった!ご馳走様♪」
ホールケーキの半分のサイズだったシフォンケーキが、
全て彼の胃の中に治まると
大羽君は私の手に包みだけを返した
「あっ!!やべッ。休憩時間終わっちゃうよ…」
休憩時間だったんだ…
「ありがとな。タオルとかお菓子とか♪」
「あ…うん…」
何だか凄く寂しいような…
「あっ…タオル。」
ビショ濡れになったタオルを見つめながら大羽君は呟いた
タオル、、、別に安いやつだし
「そのタオルあげるよ。
まだこれから部活長いんでしょ?使って!!」
「でも…悪りぃよ…」
「平気だよ、ほら、時間になっちゃうよ?」
そう言って私は大羽君の時計を指差す
「じゃあ。遠慮なく。また今度お礼するよ!」
「いいよ!!お礼なんて。美味しいって言ってくれて嬉しかったし…」
「いや。マジで旨かった♪」
ニコッと微笑むその顔に胸がドキドキと音を立てる