Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

私達が人込みの中で名波君を探していると


少し離れた場所に杏ちゃんの姿が見えた

「杏ちゃっ!!ングッ」

私が呼ぼうとした瞬間いきなり昴君に口を塞がれた


なっなっ!何で??

驚いている私の耳元で『見て。』って言って二人の手元を指した


杏ちゃんと名波君の手元って?

二人の手に視線を移すと


あ…


手を繋いでた

「なんかイイ感じじゃね??」

本当だ

杏ちゃんの顔を見ると幸せそうに笑ってる

なんだか私達まで幸せな気分になるような気がした


その時

名波君がふいに後ろを振り返った


それから昴君を見て何かを合図した


何だろう??

不思議に思いながら昴君を見ると

小さな声で

「こっち…」

と言いながら手を引っ張った


へっ……

「昴…君??」

私が呼んでも『いいから』って笑いながらどんどん歩いてく

杏ちゃんと名波君置いてきてもいいのかなぁ…


しばらく歩くと誰もいない河原に着いた



< 70 / 236 >

この作品をシェア

pagetop