Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
あれ??昴君??
なんで居るのか状況が掴めないでいると
スッとこっちに視線を向けた
「す……」
私が名前を呼ぼうとした瞬間より少し早く
後ろから声が響いた
「昴!!どうしたの!!」
その声は愛瑠ちゃんだった
「あぁ。監督が愛瑠の事呼びに行って来いって言うから来た。」
昴君は私を通り越して愛瑠ちゃんの近くに立った
……ズキンっ
何だか胸が苦しくなった
「そうなんだ!昴ありがとね。」
そぉ言いながらそっと昴君の腕に触れた
あっ……
複雑な気持ちがどんどん膨らむ
昴…
愛瑠…
昴君に女友達が多いのは分かってた事だけど
何だか現実を見せ付けられたみたいで悲しくなった
二人はしばらく話した後
愛瑠ちゃんだけが教室を出て行った
私は顔を見られたくなくて下を向いて材料を切り始めた
こんな事で嫉妬したらダメ…
昴君にウザイと思われちゃうよ
そんなの嫌だよ……
一心不乱に玉ねぎを切っていると
すぐ近くで
「…萌音??」
って声がした