Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
バッっと顔を上げると
私の顔を切れ長の綺麗な二重の瞳が覗いてた
あっ…
「どうした?元気ないな?」
今にも唇が重なり合う位近い距離で昴君が聞いてくる
ドキン………
「あのっ!な…何でもない!!平気だよ!」
余りにも近い距離に思わず少し後ずさった
「ふーん…」
昴君は疑わしい顔をしてたけどすぐに話を切り替えた
「今日のご飯はなに??」
私の手元に視線を落としながら聞いてきた
「えっと…海鮮パエリアとシーザーサラダかな。」
レシピを見ながら答えると
「マジで!!楽しみ!!」
って笑顔で答えた
いつもの私なら嬉しくて堪らないのに
さっきの二人の様子を見てたからか思わず口から
「でも、愛瑠ちゃんが作るおにぎりがあるよね…」
って言葉が出てきた
あっ…今の凄い嫌な感じだった…
自分の醜い部分を見た気がして自己嫌悪に陥った
やだ…
こんなのただの嫉妬だよ…
愛瑠ちゃんも昴君も誰も悪くないのに
そんな自分が恥ずかしくて下を向いた