Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


そんな私に昴君はそっと優しく触れてきた


うっ…

やめてよ

泣きたくなってくる

「萌…音…」

何かを言いかけたけど

−−ガラッ!!どドアが開いて愛瑠ちゃんが飛び込んできた


「昴!!まだ居たの!練習始まるよ!!」

私と昴君はビクッとして

昴君の手は私から離れた


「あぁ…分かった。」

そぉ言って立ち上がる

「まったく…昴はぁ…」

愛瑠ちゃんが呆れた顔で笑ってる


そんな二人を見て私の胸は更に苦しくなっていった


「あぁ…早く作らなくちゃ!」

そぉ言って愛瑠ちゃんが私達に一瞬だけ背を向けたその時


私から離れようとしてた昴君が
私の耳元に唇を近付けてきた


そして

一言…

「いつもの場所で待ってるから」


て言った


そして私の頭を軽く撫でて実習室をあとにした


私は涙を堪えながらパエリアを作り始めた……



私…一体どうしたいんだろう…


昴君の自由を奪いたいわけじゃない


でも私だけを見ていて欲しい


そんな矛盾が心の中を掻き乱していた



< 78 / 236 >

この作品をシェア

pagetop