Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
そんな私に昴君はそっと優しく触れてきた
うっ…
やめてよ
泣きたくなってくる
「萌…音…」
何かを言いかけたけど
−−ガラッ!!どドアが開いて愛瑠ちゃんが飛び込んできた
「昴!!まだ居たの!練習始まるよ!!」
私と昴君はビクッとして
昴君の手は私から離れた
「あぁ…分かった。」
そぉ言って立ち上がる
「まったく…昴はぁ…」
愛瑠ちゃんが呆れた顔で笑ってる
そんな二人を見て私の胸は更に苦しくなっていった
「あぁ…早く作らなくちゃ!」
そぉ言って愛瑠ちゃんが私達に一瞬だけ背を向けたその時
私から離れようとしてた昴君が
私の耳元に唇を近付けてきた
そして
一言…
「いつもの場所で待ってるから」
て言った
そして私の頭を軽く撫でて実習室をあとにした
私は涙を堪えながらパエリアを作り始めた……
私…一体どうしたいんだろう…
昴君の自由を奪いたいわけじゃない
でも私だけを見ていて欲しい
そんな矛盾が心の中を掻き乱していた