Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
パエリアとサラダを作り終わって中庭に向かう途中も
私の心は落ち込んだままだった
何であんな態度取っちゃったんだろう……
昴君変に思ったよね
ハァァ…
溜め息が何度もこぼれる
自問自答を繰り返しながら
足取りも重くトボトボと歩いて行くと中庭の入口に着いた
少し緊張しながら
いつもの場所に近付くと昴君がランチシートに座って待っていた
「昴君…」
顔が見れて嬉しいはずなのに
その後の言葉が出てこない
こんな時自分の弱さにいつも情けなくなる
私が唇をグッと噛み締めて下を向くと
そっと昴君が私の手を握った
そして穏やかな声で
「萌音…おいで…」
って言いながら優しく手を引きランチシートに座らせた
しばらく沈黙が流れた後
口を開いたのは昴君だった
「萌音、何かあるならちゃんと言って」
心配そうな顔をして見てる
「あっ…」
私がどぉ伝えようか考えてると
握っていた手を更に強く握りながら言葉を続ける
「どんな話しだって平気だから話してみ??」
真っ直ぐに私を見つめる瞳はあくまでも優しくて
その瞳に吸い込まれるように私は口を開いた