Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「じゃあ、萌音またな♪」
急に呼ばれた自分の名前にドキッとした
えっ、、、呼び捨て…
「萌…音??」
「あっ。はいっ!!また。」
「じゃあな♪」
大羽君はタオルを首にかけて体育館まで颯爽と走って行った
『萌音………』
男の子に呼び捨てなんかされた事のない自分の名前
彼が発した私の名前に凄くドキドキした
私は大人しくて
クラスの中でも目立つ方じゃなくて
彼氏なんて勿論居なくて
『平凡』…って言葉が凄く似合ってる
だけど平凡な私の日常が、さっきの時間だけは
彼と過ごした一瞬だけ
新鮮な風が吹いたような気がした
『旨いよ』−−−
って言葉が嬉しくて
忘れられなかった…
この時の私は恋なんて知らなくて
今年の夏
まさか自分が彼を好きになるなんて
想像もしていなかったんだ…