Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「もっ…もぉ!!昴君の馬鹿!!」
って言って胸を叩くと
更に笑いながら
「続きはまた…今度な…」
て耳元で囁いだ
言うまでもなく私の顔はもっともっと赤くなった
「あっ!!やべっ!!休憩あと20分じゃん。萌音、弁当!!」
昴君が思い出したように大きな声を出した
「あっ本当だ!!はいっ、パエリア…」
携帯の時計を見るとかなり時間がたっていて驚いてしまった
いつもの包みを昴君に手渡すと早速開けて食べ始めた
「うぉ!!旨い!!」
喜んでくれる昴君に
「でもちょっと量が多いよね…後でおにぎりがあるのに…」
あっ…また後ろ向きな発言しちゃった
そんな事を気にしている私に対して
気にする素振りもなく
「俺は萌音の弁当がいいの!!おにぎりは他のバスケ部のメンバーが食べるから気にすんな」
って言いながら、またパエリアを食べ始めた
私達の間に流れる穏やかな時間がとても幸せだった
空は雲一つなく晴れていた
私は空を見上げて
今度は昴君の為に何を作ろうかなんて考えていた
そんな私達を見ていた人が居たなんて気付きもしないで……