Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
…あれ??
何もされてない??
触られるって思って目を閉じたのに
何もされないのは変に感じてそっと目を開けた
目を開けた私の前に飛び込んできた光景は
昴君が男の子の腕をガシッと掴んで握っているものだった
えっ…?
何が起こっているかさっぱり理解出来ない私をよそに
昴君は普段見ない怖い顔で
「何勝手に人の彼女に触ろうとしてんの??」
って言った
相手は掴まれた腕が余程痛いのか苦痛で顔を歪ませてる
そんな相手を気にする素振りもなく掴んでる腕に更に力を加えながら
「そんなガッついてるとモテないよ…てか萌音に触らなかった事だけが救いだよね。触ってたら殴ってるとこだったよ♪」
唇を上に上げていつもの爽やかな笑顔で相手に話し掛けてるけど
目だけは笑ってなかった……
「分かったから!離せよ…」
あまりの痛さに堪えられなくなったのか相手がようやく声を出した
「す、昴君…」
私が止めようと昴君の名前を呼ぶと
パッと相手から手を離して
「俺らこれからデートだから、邪魔しないでね♪」
って言いながら私の肩に手を回した