Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「少し狭いね…」
私が申し訳なさそうに話すと
「俺は萌音とくっつけるからいいよ♪」
って小さく微笑んだ
あっ…
昴君はいつもそうだね…
いつも私の気持ちに反応して欲しい言葉をくれる
今日もそう
男の子から助けてくれたり
私が怖がってるのに気付いて
すぐに監視員さんに頼んでくれて
本当に優しくて素敵で私には勿体ないくらいの人…
私も昴君に何かしてあげたいな
そんな気持ちから精一杯の勇気を出して
「わ、たしも昴君の近くに居られて凄く幸せだよ…」
って口にした
昴君はその言葉を聞いて
黙って視線を私へと落とした
そして傘を少しだけ前に倒して
顔を近付けて
ほんの一瞬だけ唇が重なった…
唇が離れたあとも私の顔を真っ直ぐ見つめて
「俺も幸せだから、来年も再来年もずっと側にいろよ…」
って優しく言ってまた私の唇に甘い、甘い、キスを落とした…
うん、来年も再来年もずっと側に居るから
だから
ずっと私を好きでいてね…
そぉ何度も、何度も、願った
外は雨だけど私の心は晴れ渡る空のように幸せで
これから始まる新学期が
二人にとって辛い日々になるなんて想像すらしてなかった