雨の雫

act6 ホントの自分

二人きりになるのは何日ぶりだろう。
すれちがいの日が続いて、逢うことも叶わなかった。

今はすぐ隣に彼女がいる。

嬉しいはずなのに、随分離れているような気がする。


僕は確かめずにはいられなかった。

「理未子。」
「オレの事ホントに好きなの?」


「うん。」少し間があったが、
静かに頷くと彼女の肩が触れた

「どこがいいの?」

「ん~どこってわけじゃないけど…」

「けど?」

「あたし恵司の事いつから好きだったと思う?」

「え、なに?」

「だから、いつから見てたと思う?」

「そんなの分からないょ」

「恵司はいつから?」

「あたしの事…」

「…いつの間にか好きになってたかなぁ」
「だめだよそんなの」

「あたしは一年のときグラウンドで走る恵司が輝いてて見えたことがあったの」

「輝いて?」

「そう。まるでお釈迦様の後光みたいに…」

「そ、そうなのか?」

「そう。なんかその光に包まれいる恵司が綺麗でその後急に胸が苦しくなったの」
(あ、僕と同じだ)
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