雨の雫
校内に入り隣のクラスを通ると梨華が僕を見つけて教室から出てきた。
「おはよー」相変わらず元気がいい。
「おはよう」僕は素っ気ない態度だ。
今日は彼女の顔をまともに見ることができなかった。
彼女は話すとき僕の目をしっかりと見つめる。
真っ直ぐなまななざしに、心を読まれそうだった。
滝井と一緒に来ていることを隠しているようで、後ろめたかったのかもしれない。
とにかく半ば無視するように僕は教室へ駆け込んだ。
昼で帰れるのはどれくらいぶりだろう。
授業が終わると僕はすぐに正門へ向かった。
待っている間いろんな学年が通る
(こりゃ、はずかしいなぁ)
(まるで彼女を待っているみたいだなぁ)
そんなことを考えていると、大きな滝井と小さな友達がこちらへ向かってくる。
小さな友達が
「いたいた!」と声を上げて僕を指した。
(なんだよ、アイツもういいふらしてんのか?)
そういったとたん友達は滝井に手を振り横道へ逸れていった。
「まったー?」笑顔の彼女だ。
「すこしね」
「そう言うときは、うぅん、今来たとこって言うんだよ」
「そうか?ま、今来たけど」
「よしっ!合格!」
「なんじゃそれ」
滝井は妙にはしゃいでいる。
駅に着くと彼女が突然「じゃーどこ行く?」
と切り出した。
「どこいくって?帰るんじゃないの?」
「えーっ、そうなのー」彼女がふくれた。
「お昼は?」
(土曜の昼なんて外で食べた事ないぞ)
「街まででようよ」
街までは4つ目の駅だ。
待ちで入ったのは、“ベルエポック”という名前の喫茶店だった。
レンガの壁で、どことなく大人っぽいムードのある店だ。
…落ち着かない。
そこで僕らは同じミートソースとアイスコーヒーを注文した。
「おはよー」相変わらず元気がいい。
「おはよう」僕は素っ気ない態度だ。
今日は彼女の顔をまともに見ることができなかった。
彼女は話すとき僕の目をしっかりと見つめる。
真っ直ぐなまななざしに、心を読まれそうだった。
滝井と一緒に来ていることを隠しているようで、後ろめたかったのかもしれない。
とにかく半ば無視するように僕は教室へ駆け込んだ。
昼で帰れるのはどれくらいぶりだろう。
授業が終わると僕はすぐに正門へ向かった。
待っている間いろんな学年が通る
(こりゃ、はずかしいなぁ)
(まるで彼女を待っているみたいだなぁ)
そんなことを考えていると、大きな滝井と小さな友達がこちらへ向かってくる。
小さな友達が
「いたいた!」と声を上げて僕を指した。
(なんだよ、アイツもういいふらしてんのか?)
そういったとたん友達は滝井に手を振り横道へ逸れていった。
「まったー?」笑顔の彼女だ。
「すこしね」
「そう言うときは、うぅん、今来たとこって言うんだよ」
「そうか?ま、今来たけど」
「よしっ!合格!」
「なんじゃそれ」
滝井は妙にはしゃいでいる。
駅に着くと彼女が突然「じゃーどこ行く?」
と切り出した。
「どこいくって?帰るんじゃないの?」
「えーっ、そうなのー」彼女がふくれた。
「お昼は?」
(土曜の昼なんて外で食べた事ないぞ)
「街まででようよ」
街までは4つ目の駅だ。
待ちで入ったのは、“ベルエポック”という名前の喫茶店だった。
レンガの壁で、どことなく大人っぽいムードのある店だ。
…落ち着かない。
そこで僕らは同じミートソースとアイスコーヒーを注文した。