%やっぱり俺様が好き!(作品紹介&つぶやき)%
「早く来てよ~」
「もう!一覧表を貸したげたんだから自分でやんなよ」
遠くから聞こえるその言葉で、私は蒼白になる。
まずい、援軍を連れてきた!
彼は、姉の手を引いて、リビングへと舞い戻ってきた。
そう。彼女はローマ字入力ができるのだ。
「こら、お姉ちゃんにやらせないで、自分でやんな」
子どもを甘やかしてはだめだなのだ。
たった今、我が家ではそう決まった。
腕白でもいい、たくましく育ってほしい
(by わかる人にだけわかる昔のハムのコマーシャル)。
「ほらぁ。私は手伝わないから。やり方だけ教えてあげるから」
彼女はローマ字入力の一覧が載った下敷きを弟に貸して、表の見方を教える。
いやいや、そんな丁寧に教えなくていいってば。
いつもは喧嘩してるくせに、なんでこういうときは面倒見がいいのさ!
声に出してつっこみたいが、ここは我慢。
大人の余裕を見せるべきだろう。