%やっぱり俺様が好き!(作品紹介&つぶやき)%



・・こ、こいつ。



先に要求を突きつけるテクニックは、兄弟の下ならではだ。

姉にそんな知恵はない。彼女はいつでもよく働き、報酬をケチられている哀れな身分だ。


「ん~、わかった。でも、ちゃんと説明すること。あと、この話をパパには内緒にすること。

できる?」


できる?という言葉は魔法の言葉だ。子どもの自尊心をくすぐるから、

聞かなくても、答えはわかる。


「うん、できるよ!!パパに内緒でおいしいもの食べたら怒るもんね!」


彼は、夏のひまわりのようなまぶしい笑顔を向ける。

なんとなく胸が痛むような気もするが、気のせい気のせい。


それよりも。


「で?」


「あのね、ママのお気に入りの中に入ってるから知ってるんだよ」


予想以上に恐ろしい、冬山で遭難したような寒気が背筋に走る。


遭難したことないけど。

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