%やっぱり俺様が好き!(作品紹介&つぶやき)%

「相当おりてきてるはずなんだけど、ひょっとしてあれかなあ」


どうして医者というのは一人きりでぶつぶつつぶやくんだろう。

それとも、この人だけか?

そういう人に当たったのか?


まさか、わたしに『あれってなんですか?』って聞いてほしくて言ってるわけはないだろうな。


なんでもありな病院という閉鎖空間に、私はイロイロと思い浮かぶ。


“やっぱ、新人看護師が正しかったよ。あと3時間は産まれないわ”

“しょうがないから、もう一回陣痛室からやり直すか!”

“なんか、想像妊娠だったみたいだよ。実は太っただけでした!”



・・みんな、いやなことばかりだ。



今だったら、出産に立ち会った医師と彼氏に捨てられたけど子どもを産んでけなげに育てる少女(私のこと)が、

街で偶然再会して、『俺はお前の全てを知っている』エッ?とかって誘惑される話とか、


『あなたのいきむ姿がめちゃくちゃ上手だったから、今度妊婦さんの前で実演して』ハイ?と看護師に頼まれ、

転職して“わたしのいきみ方百選”って本を出版する話とか、


イロイロイロイロ妄想できるというのに。


なんでいざというときに楽しいことを妄想できないのか、つくづく役立たずの私の特技だ。


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