【CORORS①】虹色の扉
「ねぇ千郷、今日半ドンだし、学校終わったらプール行こうよ♪」
「あ、いいね♪
でも、なんで今頃?」
「割引券が余ってるの。
新聞屋のおっちゃん、いっぱいくれてさ」
「なるほどね」
何の悩みもない私たちは、他愛もない話で盛り上がり、炭酸水のように弾けている花の女子高生。
肌に差し込まれる、紫外線には悩まされるけどね。
全く。
この乙女の天敵、何とかならないものかしら?
紹介が遅れたわね。
私、黒崎 千郷、16歳。
(くろさき ちさと)
運動はわりと好き♪
そして、今話をしていたのが、自称、才色兼備と言うクラスメイトの
神戸 陽菜(かんべ ひな)。
私には、天然なお茶目さんにしかみえないけど、傷付くから言わないの。
陽菜は、高校に入ってから友人。
中学から仲の良い子たちは、残念ながら別のクラス。
代わり映えのない日常が、こんなにも幸せな事だなんて、この時は想う筈もなく過ごしていた。