【CORORS①】虹色の扉
太陽ってこんなにも眩しかったっけ?
いつも、運動は体育館の中で行うとはいえ、外に出たことがないわけじゃない。
っていうか、夏休み中はずっと山や海とアウト.ドアを楽しんでいたのよ?
きっと、変なことばかり考えていたから太陽の輝きも今まで以上に強く感じるのね?
不思議な感覚を自問自答して、スライダーの階段を上っていく。
「キミたち、高校生?」
「俺たちも二人なんだよね。
一緒に遊ばない?」
何?
この背筋が凍りつくような感覚は?
シカト、シカト。
こんなのに構っていたらバカがうつるわ。
良くあるナンパであろう。と──
「嬉しいです☆
私たち~、さっき貴方たちを見てご一緒したいなぁと思ってたんです」
黄色い声を上げて答えるのは、もちろん陽菜。
忘れていたよ。
こいつの目的はこれだったんだっけ?
彼女の声に釣られて振り返ると、陽菜が最初に見付けたチャラ男たち。
やっぱり、今日はついていないよ。
「やっり~、俺はタイラ。で、」
ワカメ頭が言った。
「俺、ススム~。キミたちはなんていう名前?」
鶏のトサカくんね。
「私は、陽菜でぇ、こっちが──」
「こんなところで立ち止まっていると後ろの方々に迷惑かかりますよ?」
「そうだな」
ったく、人の名前まで一々教えないでよ!!
「陽菜ちゃんの水着セクシーだね?」
あぁ、あのザックリ背中が開いていて目のやり場に困るのがセクシーなわけ?
「うふ♪
新調したばっかりなんですぅ」
そう。
ついさっきね。
「俺はこっちの彼女の方がいいなぁ。
ちょっとだけ見せていて隠れているところを想像させてくれるセパレートのがね」
や、やめてよ!!
そんな変な言い方するの!!
って何するのよ!!
人の肩気安く触んないでよ!!
声に出して言えればいいのに。
陽菜の手前、そんな暴言もいえなく今は大人しくしている。