【CORORS①】虹色の扉
「此処、女の子の憧れよ。
翼はどうして此処に?」
手違いで
……とは言えないよな。
「もしかして、性転換手術でもしたの?
残念だけど、まぁ友達でもいいっか」
残念って何だよ
「するか!!」
「じゃ、変態に変換?
なわけないよね。
翼が此処にいるって事はよっぽどの事情よね。
アタシ翼の見方だから、安心して」
一番安心出来ない存在だ。
コイツの前にいると、素に戻りそうになる。
せっかく作り上げて来たってのに。
「ねぇ、契約しない?」
「何の?」
「翼の正体誰にも言わないであげる」
助かるよ。
「その代わり──」
怪しげな笑みに、恐怖感を感じた。
俺の感覚は、間違いではなかった。
それは、男であることを誰にも言わない代わりに彼氏になる。
拒否すれば、バラすと。
俺には選択の義がないのか。
契約という言葉にトラウマになりそうだ。
嗚呼、俺の人生どうなる!?