【CORORS①】虹色の扉
今まで梨乃を、異性として見ていなかった。
しかし、零れる吐息と昇天する甘い声を聞いているうちに、もっともっと彼女を俺の中に埋めたい。
そんな欲情が涌いてきた。
初めは、桜小路にされた感触を消毒代わりにしたかっただけ。
けど、今は違う。
この唇を、梨乃の唇を誰一人にも、奪われたくはない。
そう強く心想いながら舌を絡めていった。
梨乃もまた、俺を求め絡み返してきた。
それを合図に俺は、右手を背中に回し、左手で服の上から胸を鷲掴みにした。
その手をゆっくり滑らすように下げ、スカートの中に忍ばせる。
秘部を下着の上から撫でると、梨乃の声も桃色に変わっている。
俺はやっばり男だ。
こんな格好して女として生活しているから、本当の自分を忘れそうになる。
けど、この快感までは失いたくない。
梨乃、今までお前を雑に扱ってごめん。
お前が欲しいよ。
こんなにも愛しい人が、こんなにも近くに居たなんてな。
けど、今日は止めておくよ。
もっとお前を大切にしたい。
「──ん。
もう、変な気分になったじゃないのよ!!」
ほんの少しの隙に、梨乃は俺から離れ、唇をとんがらせ怒るように口走った。
可愛かったから気にしないことにしよう。
「ごめん。
それから、ありがとう」
「今日は変な翼ね。
まさか頼みが愛を育みたいなんて、生易しいものじゃないでしょ?」
ハハッ。
さすがだな。
俺の心の内を全て知っているかのようだ。
「実はな──」
「え~っ!?」