【CORORS①】虹色の扉
「なぁんだ、マネージャー……?」
……と、誰?
見知らぬ女性がいる。
あれ?
梨乃は何処いったんだ?
「彼女は、シルビアよ。
仲良くしてね」
「はぁ」
一体、いつの間に金髪姉ちゃんなんかを連れて来ていたんだ?
仲良くって言ってもねぇ、私英語だけは苦手なのよ。
他の科目はそこそこなんだけどね。
「どうやら、大成功のようね」
「何が?」
訳が分からない。
もったいぶらないで、早く教えなさいよ!
「彼女は貴方の良く知っている人よ」
「えっ!?」
外国人の知り合いなんていない。
「翼、どれだけの付き合いしてんのよ!
私よ、梨乃!!」
……嘘。
どっからどう見たって外国人にしか見えないし。
「ま、私の腕に掛かればこんなもの朝飯前よ」
木崎さん、貴女はいつからスタイリストになったんですか?
それだけの腕持っているなら、私を変えて欲しかったわ。
「………」
「これなら、彼女が槇原 梨乃さんだってバレないでしょ?
つまり、学校も退学にならない」
それは安心よ。
だからって、何で外国人なわけ?
「シルビアとしてヨロシクネ」
イタズラ好きの少女のようにはしゃぎ出した梨乃であった。
何か間違った方向に行っていないだろうか?
そして、私たちは高校生がこんなに豪華な食事をしてもいいのだろうか?
というくらい、テーブルいっぱいに並べられた料理たちに箸をすすめていった。