【CORORS①】虹色の扉

 彼と鈴さんとこの星の仲間達によって素敵なミニ・コンサートが開かれた。

 その音に合わせて、踊り、歌い 今まで生きてきた中で、最高に幸せな時を迎えた。

 夢でもいい。

 目が覚めてしまったらなくなってしまう夢でもいい。

 今、この時の事

 しっかり胸に刻もう。



 「もう大丈夫だな」


 「うん♪」


 「しっかり、前を向いて歩くんだぞ」


 「はい」


 「桃香、最後にお願いがある」


 「何?」


 「俺達のこと忘れないで欲しい」


 「当たり前だよ。忘れるわけないじゃない」


 彼は、悲しげな表情をする


 「元の世界に戻ったら俺たちの……この星での出来事は、記憶から全て消されてしまうんだ。それが掟だから」


 「そんな……」


 「俺達はいつだって桃香をみている。何かあったら、俺の名前呼んでくれよな」


 「櫂……」


 「やっと名前で呼んでくれたな。そう、俺の名前がパスポートだから。……絶対忘れんなよ」


 「忘れないよ。櫂、ありがとう」


 「そろそろ時間だ。時間が1分でも過ぎれば、この道は消えてなくなる。アンタの住む世界は此処じゃない。さぁ。」


 櫂に背中を押され虹の道をすべるように歩く



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