【CORORS①】虹色の扉

 カーテンの隙間から光りが零れ、目覚めの良い朝がやってきた。

 さて、今何時頃かな?

 時計代わりにケータイを開くとメール受信70件


「何これぇぇぇぇぇ!!」

『俺はIT会社の社長の成瀬だ。お前のプロフィールを見たら俺の好みだった。此処に1億用意した。こんなはした金で申し訳ないが是非、合ってくれ』

 そんなもの手渡されても困る。


『こんにちわ、ゲストさん。僕こういうと事初めてなんだ。友達からよろしくね』

『三咲剣人っちゅうもんや

ブラックカード持っててんけどな無くしてもうた

プラチナで良かったらやるさかいお前の時間、俺にくれへんか?』

『牧村だ。お前の空いた一分一秒を貰ったからな。覚悟しとけよ』

 嫌だよ。何でいきなり命令口調なのよ。

 …………
 …………
 …………

 ありえない。

 あ、そういえば昨日、何とかメール登録とかあったっけ。

 出会い系だったんだ

 ムシムシ。

 でも、写真まで無料で見られるなんて。なんか、お得かも。

 うわぁ、カッコイイ

 コイツ、まさにホストだよ。

 やだ、キモイ。上半身裸だよ。

 次々とめくる写真は何処からこんなに揃えたのかイケメンばかり。

 やっぱり胡散臭いね。


『ゲスト、こんなに高感度の良い娘初めて見たよ。よろしくな』

 …………
 
 …………

 …………


『ボクね、20歳の娘探してたの。これから一杯楽しもうね』

 あ、この人可愛いぃぃぃ。

 ん?20歳?
 私、32だよ?

 一体どういう事?



< 168 / 191 >

この作品をシェア

pagetop