【CORORS①】虹色の扉
桃香と櫂
「何が悲しくて、一人マンションの部屋にいるんだろう?」
誰もいない中、一人呟く。
1DKの小さな部屋に丸いテーブルが一つ。
その上に置かれたワインボトルとグラスが2つ。
私、桃香。
淋しさを紛らわす為にワインの力を借りているところ。
一週間前に彼から別れを告げられてしまったの。
なのに
グラスは必ず二つ用意する。
だって、もしかしたらヒョッコリ戻ってくるかもしれないし。
あり得ない淡い期待を胸に抱く。