【CORORS①】虹色の扉
「……しっかし、何だって一人家に居るんだよ?」
「余計なお世話よ!! 私だって好んで一人でいるんじゃないんだから」
本当は、怖いの。
「俺は、てっきり一人が好きなのかと思ったけど」
「放っといて頂戴」
だけど、この人にはそれを知られたくない。
全てを知ってる様なこの眼差しから、私は、……逃げただけなのかもしれない。
半やけになって、グラスの中の物をグビグビ飲み干す。
「ダメだよ、ワインはもっと優しく踊らせる様に口に運ばなくちゃ♪」
「……」
そう言った彼は瞳を閉じ、ゆっくり優雅にワイングラスを回し始めた。