【CORORS①】虹色の扉
ひまわり
「眩しい」
急に浴びる太陽の光りが目に沁み、目を細める。
「よぉ!」
私の声に気づいたのか? 昨日の男の人が、石で作った釜戸の傍でしゃがみ、俯いた姿のまま声を掛けてきた。
「シチュー……ご馳走……様」
「よく眠れたか?」
「……はい」
この返事で、ようやく振り返った彼は笑顔を一つくれた。
その笑顔を見た途端、心臓がドキンッと跳びはねた。
心がくすぐったいような不思議な気持ち
Tシャツに短パンを穿いただけの姿
太陽に照らされたフサフサした赤茶色の髪に
この笑顔
まるで……
「ひまわり」
「えっ!?」
「ううん、なんでもない」
私の言葉に不思議そうに瞳をまるく大きく見開き、その後真顔になった。
「よし!! 何が合ったかは知らねぇけど、今度自殺なんかしたら許さねぇからな!!」
「自……さ……つ…?」
「しようとしただろ?」
私は、首を横にゆっくり振る。
「えっ!? だって、服着たまま海ん中にいただろ? ご丁寧にサンダルまで揃えてさ」
「あれは、買ったばかりのサンダルを濡らしたくなかったのよ」
「はぁ!?」
どうしよう
また怒られるかな?
気まずい沈黙が暫し流れる