【CORORS①】虹色の扉
「明日から七海ちゃん専属のコーチをつけてもらうことにしたわ」
「えっ!?」
おそらく、相手は今の電話の相手なのだろう。
「私が、責任持って教えてあげたかったけど、生徒さん今多くて付きっ切りって訳にいかないからね♪」
「いえ。あ、でも……受講料……」
「いいの、いいの。そんなの気にしないで♪」
「でも……」
気にするよ。
「どうしてもって言うなら、アイツの給料から天引きするから心配しないで♪」
「……」
ダイビングって結構お金かかるって――。
何かの雑誌に書いてあったし。
千暁さんのこの有無を言わせないような笑顔を目の当りにすると、何も言えなくなってしまった。