【CORORS①】虹色の扉
日の出と共に俺たちは港から船を出した。
俺たちは、貿易を国交するためにヨルデス国に向かう。
そこは、隣国ではあるが海の向こうの為互いに行き交う事がまだない。
噂によると緑豊かな国で楽園と聞いている。
未だ王位を継いでいない俺は視察にすぎない。
いつもなら大臣たちその他大勢のお爺たちも同行するが、今日はシモンと他2名の計4名だけ。
もちろん、この少人数での長旅に反対の声もあがった。
けど、俺は今まで表に顔を出してないからな。
視察には丁度良いってわけ。
なんて言うのは口実。
自由でいられるのがあと僅かだからな、俺の小さな願望をシモンが聞いてくれたんだ。
海の知識なんて、全くと言っていい程知らない。
だから、水平たちが険しい顔をしているのに気が付かなかった。
「ニコラス様、船室にお戻りくださいな」
「そうです。皇子に何かあってからでは遅いのです」
「私たち、責任を取らされてしまいます」
心配性のルイスとトニが口々にに言い放つ。
「心配するな。潮風に吹かれるほうが中でジッとしているよりいいんだ」
「……暮れぐれもご無理をなさらないようお願いします」
「わかっているさ」
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