白雪姫と毒リンゴ
扉の開く音がした。
起き上がる。
「冴島先輩、あの~…。」
亮のところまで来た後輩の子。
その子は固まる。
そりゃあ、ベッドに乗ってる私と。
椅子に座る亮を見る。
私は睨んだ。
可哀想に。
蛇に睨まれた兎だ。
でも、このまま睨み殺してしまおうか。
「なんかした?」
亮の言葉で、私は止めた。
「あ…。あの…。」
言いにくそうに目を泳がせる。
ヒドいな、亮。
「トランプしない?」
私は言う。