白雪姫と毒リンゴ
夏祭り
私は鳴る携帯を耳に当てる。
「雪姫、遅い。」
秋矢の声を聞く。
「知ってます、わかってます。はいはい。」
私はすぐに携帯を切った。
神社の鳥居の前で、こっちを睨む男子が二人。
「ごめん、遅れた。」
「遅れたってお前なぁ…。」
つかみかかってきそうな亮を秋矢が宥める。
「まぁまぁ。なんか奢ってもらえば気は済むんだろ?」
いや、そっち方面に話を振って欲しくないよ。
「はいはい、わかりました。」
どこかで聞いた事のあるフレーズを亮は言った。