白雪姫と毒リンゴ

秋矢が言いかけた途端、扉が開いた。

「あーぁ。」

話す声とは違い、一段と低い声を出す亮。

「見つけた。」

「見つかっちゃった★」

てへ、とでもいいたげなふざけた亮の声。

秋矢は私の腕を取って、上級生の横をすり抜けて体育館倉庫を出た。

「大丈夫なの?」

「大丈夫だろ。」

秋矢は冗談で言っているわけではない。

亮はいつも喧嘩をやっているから。

「校門で待ってよ。」

すぐ終わるはずだから。






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