白雪姫と毒リンゴ
ジョーカー
パチンとジョーカーをはじいた。
「ここ、僕の家だった気がするんだけど?」
眉を寄せた秋矢。
「何言ってんの、秋矢の家でしょう?」
私は言う。
「そうだよな。自分の家と他人の家もわかんなくなったのか?」
亮は、あぐらをかいている。
「じゃあ、なんでお前らが僕より先にここにいるんだよ。」
黒髪を掻いて、秋矢は言う。
「秋矢のお母さんが誘ってくれたんだよ、グラタンだからって。」
ね、と亮を見る。
頷く亮。
「ったくお前らは昔から…。」
ため息混じりに言う。
私は笑う。
一階から秋矢のお母さんの声がした。