白雪姫と毒リンゴ

「…変だな、雪姫。」

「そーだな。」

後ろから男二人の会話が聞こえる。

私が綿飴に食いつかなかったのが変なのか。

今現在、不機嫌なのが変なのか。

「…そりゃぁ、幼なじみが自分の前でベタベタされればなぁ。」

そんな亮のつぶやきが聞こえて、振り返る。

「どした?」

「綿飴より、チョコバナナがいい。」

秋矢のホッとした顔。

どうやら、私が不機嫌だというのは伝わってないらしい。

また前に向き直る。

そうしたら、後頭部を優しく叩かれて亮の声がした。

「じゃあチョコバナナでも買いにいくか。」





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