白雪姫と毒リンゴ
私は亮の隣に並ぶ。
「亮は寂しくないの?」
「なにが?」
「秋矢が…秋矢に彼女ができる事。」
亮はパンをかじって、怪訝な顔をして私を見る。
「雪姫って、俺が男好きだってまだ思ってんの?」
「まさか。違うよ、そういう意味じゃなくてね?“幼なじみ”…が、遠くに行っちゃった感じしない?」
私は、亮を見る。
「…雪姫は、秋矢が好きだよなぁ。」
亮のはぐらかしたようなその言葉。
「亮も同じくらい好きだよ。」
私の質問に答える気はサラサラ無いらしい。
「…だったら、雪姫は俺に女が出来た時。そんな事思った?」
…思わなかった。