白雪姫と毒リンゴ

本当に特に何かあった訳でもない。

悪意も無ければ、期待している答えもなかった。

でも不意に聞いてみたくなった。

珍しく家にいるお姉ちゃんは、寝る為に帰ってくるようなもので。

私はソファーで、眠そうな顔をしているお姉ちゃんに言った。

お姉ちゃんは、しばらく私を見ていた。

でもただ、こっちに視線を向けていただけだった気もする。

まるで、私を通り越した後ろの家具を見てるよう。

「あたしの今一番大切なものは…。」

少し経って、お姉ちゃんは口を開いた。

私は次の言葉を待った。






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