白雪姫と毒リンゴ
「返事聞いてない。」
桜の樹の下。
怒ったような声を出す私を亮は立ち止まり、振り返る。
「俺も。」
サラリと。
つまらなそうな顔で。
そんな事思ってないでしょう!!って態度。
私はカチンと来て、後ずさりする。
手を離す為に。
だって、可笑しい。
こんな亮の態度に、鼓動が高鳴ってる。
病気か、この手の所為だ。
…でも、亮は私が後ずさりする手と共にこっちに近付く。
「何がしたい訳?」
呆れた声で、聞かれた。