『だから、好きなんだって。』
―――――
―――






―ザワザワ





この学校に入ってからの初めての席替え。








内心はっきりどーでもよかったけれど、









さすがに、この席は俺は嫌だった。







「うわっ!頑張れぇ〜颯太!!」



俺が席替えした場所に来た結城はそう言って、ニンマリと笑った。








「………。」






だけど俺は正直笑えない。






「真ん中で、前から二番目かぁ!席離れちゃったな!」


結城の席は前の俺の席だった窓側の端っこ。



前はその斜め前が結城の席だった。






「残念だねぇ。うん。実に残念だよ!!」

そう俺の肩を叩く結城はやけに嬉しそうだ。






「…うるせぇよ。」





ウザったい結城に俺はそう言った。








すると、「全く怒りんぼさんなんだから!」なんてそんな気持ち悪いことを言い残すと、



結城はふいにどこかへ行ってしまった。




そんな結城を見ながら俺は自分の席をまじまじと見た。








「はぁ。」








マジで

やる気なくすし…


こんな席。






ただでさえ授業に出席することも少ないのに、






さらに休みたくなる…。





そう思った俺はいつものように授業のチャイムがなると同時に、一人屋上へと向かった。








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