Wink☆
「ただいまぁ」

玄関について、アタシは元気よく

叫ぶ。


リビングから、エプロンをつけた

お母さんの姿が見えた。

「おかえり!今日はいつもより

早かったねぇ。なんかあった?」

「・・・ううん。別に」

お母さんに見透かされた気分になり、

アタシはとっさにウソをつく。

「そう。ご飯、そろそろできるから、

着替えたら降りてらっしゃい」

「うん」

家で夕飯を食べるなんて、久しぶりだった。

いつも、放課後は友達と夜遊びばかり

していたから。

きっとお母さんは、すごく心配していたのに、

何も言わずいつも見守ってくれていた。



「お母さん」

「あ、小雪。もうちょっとでできるからね」

「・・・・・手伝う」

アタシは腕まくりをして、台所に立った。

「小雪・・・その爪・・・」

いつも派手に飾り付けている、アタシの爪に

なにもついていないことに、

お母さんは驚いているようだった。


「・・・・マニキュアなんてしてたら・・・

料理、できないじゃん」


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