Wink☆
「じゅ・・・淳平くん」

さっきの恐ろしい声とは

打って変わって、可愛い声で

応答する春花。

「何してんのって聞いてんだけど」

「え・・何って・・この子が・・髪の毛洗って

ほしいって言うもんだから・・・ねえ?」

春花はおどおどした表情で、友人に

返事を求める。

またその友人達も、小さくうなずいた。



「へえ。こんなに泣いてるのに?」

淳平と呼ばれた男は、アタシに一歩一歩

近づいてきた。

「大丈夫?」

そして、アタシの頭を優しく撫でた。

「いじめはダメだろ」

「い、いじめとかじゃなくって・・・

だってうちら、友達だし。ね、小雪」

都合のいい奴。

自分の都合が悪くなると、そうやって

仲のいいフリをする。

アタシは呆れた顔で首を横に振った。

「じゃあそれとも、君達も水ぶっかけられたいの?」

そう言って彼は、春花達に水を頭からかけた。

春花達は、瞬時に悲鳴を上げる。


「・・・・・・もう、行こ」

女子の軍団は、アタシを鋭く睨むと、駆け足で

教室の方へ戻っていった。





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