Wink☆
うやむやにしても、彼が

傷つくだけ。

ちゃんと・・・

素直に話そう。



アタシは顔をゆっくりと上げ、

目にかかった髪を右手で

かき上げた。


「・・・・ごめんなさい。アタシ、

やっぱり淳平君の気持ちには

答えられない」

顔を上げてみたものの、怖くて

淳平君の顔が見れない。

アタシは正しいことを言ったはず。

でも、アタシの言葉で彼が傷つくこと

が・・・一番怖い。


「理由・・・聞いてもいい?」

アタシの耳には、弱いけどしっかり

してて優しい声が、確かに聞こえた。

「え?」

「なんで、ダメなのか。教えてほしい」

淳平君は、アタシを責めることもせず、

ただ優しく問いかける。

「淳平君は・・優しいし・・アタシのこと

思ってくれてるし・・・それは、すごく

嬉しいことで。でも、アタシの気持ちは

まだ・・・高峰に、向いてる。
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