Wink☆
ep.final Wink☆
外の景色は、何一つ変わらない。

空の色も。

建物の場所も。

何事もなかったように、

時は流れている。


アタシは、あの時から

かなりの時間が過ぎたというのに、

今も、胸は痛んだまま。





「ねぇ、聞いた?高峰君と、奈月

付き合い始めたって!」

「まじで?!知らなかった」

「一緒に帰ってるの見たことある!」

クラスでは、最近この話題で

盛り上がっている。

アタシがいることなんて

おかまいなし。

「小雪、大丈夫?」

「え、なにが?」

心配そうな雪奈に、アタシは笑顔で

強がって見せる。

親友の雪奈にさえも、本心を

打ち明けられない自分。

アタシはそんな自分自身が

もどかしくて、イライラしていた。



「雪奈、ちょっとトイレ行ってくるね」

「あ、うん。行ってらっしゃーい」

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