Wink☆
ふっとすれ違う高峰の手に目を

向けると・・・

――指輪がない。

一緒にしてた、おそろいの指輪。

自分だけ、まだつけているのが

恥ずかしくなり、思わず手を隠す。



高峰は、もうアタシのことなんて

どうでもいいのかな。

『もう疲れた』

別れを告げられたときのセリフが、

頭の中でこだまする。




なんで・・・嫌って言わなかったんだろう。

言っていたら・・何か変わっていたかも

しれないのに。

アタシだけ、まだ指輪をつけているなんて、

ほんとバカみたい。


「なんで・・・?もう、忘れようって

決めたじゃん。なんで・・・」


こんなに胸が痛くて、

悲しくて。



―――まだ、こんなに好きなの。


わかんないよ。

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