Wink☆
「頑張って」

奈月の励ましを聞き、アタシは

部屋を出る。



鞄からケータイを取り出し、

彼のアドレスを呼び出そうと、

指を動かした。


「あれ・・・ない」

アタシは気づいた。

あの時、高峰のアドレスを

消してしまったこと。

指輪を捨ててしまったこと。

「アタシ・・・バカだ」

なんで、捨てたりしたんだろう。

大事な宝物だったのに・・・。




アタシは、指輪を捨てた場所へ

走った。

どうしても探さなきゃ。




店の前のゴミ箱をあさる。

ない・・・

ない・・・

ない・・・・

「ないよ・・・」
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