Wink☆
涙が溢れてくる。

泣いても、指輪は戻ってこない

ことはわかってるのに。



「ちょっと、あんた」

声がしたが、自分へ向けられたもの

だと分からず、無視をする。

「ちょいと、お嬢ちゃん」

おばさんに肩を叩かれ、アタシの

体はビクッと震えた。

「これ、探してんのかい」

おばさんの手に乗っかっているのは、

アタシが探している・・・

――指輪。


「あ・・・・・・」

「ゴミ箱に入ってたんだけど・・

どうしても捨てたままにしておく

のはいけない気がしてね」

黙ったままのアタシに、おばさんは

指輪を握らせた。

「こんな大事なもの、捨てたりしたら

ダメだよ」

高峰が、アタシに初めてプレゼントして

くれた指輪。

それを捨ててしまったなんて、アタシは

なんてバカなんだろう。


「あの・・・ありがとうございました」
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