Wink☆

アタシの体は、夏とはいえ

ずいぶん冷え切っている。

公園には、もう誰もいない。

アタシだけがポツンと

残された。



なんかバカみたい。

自嘲気味に笑うアタシ。

いくら待ってもこない彼を、

一人で待つ女の子。なんて、

ドラマでよくあるシーン。

アタシは、そんな自分が

みじめに思えてきた。


「もう・・・帰ろ」

夏の空に向かって、呟く。

こんなアタシを、あの人は

嫌いになったのかもしれない。

だから・・・

来てくれないんだ。

悲しいな。


悲しいよ。


もう、一人なんだ。



どんなに待っても、高峰は

やってこない。


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