俺と葉月の四十九日
村上は、面白いもの好きの面白い奴で、すぐテンションが上がる。
光はどちらかと言うと、おっとりした奴だ。


対象的な二人だが、一緒に居れば居るで面白い。
友達って、そんなもんなんだろうなと思う。



「ぜって―遅刻かと思った!チャリでかっ飛んで来た!」

安田が、もっと早く起こしてくれりゃあなぁ。


「つーか案外、いつも通りだよな。圭介」

光が肩をすくめ、遠慮がちに言った。


何が?


「安田葉月。死んで一週間だろ?幼なじみだったし、落ち込んでるかと思ったからさ」
安心したけど、と光は笑った。



落ち込むねぇ……。


だって、安田いるし。
落ち込む暇も無かったし。


知らない、つーか見えない奴には分かる訳ないよな。
俺もフツウに落ち込んでたけど、帰ったら安田が居て「お帰り〜」だもんなぁ。


有り得ない展開に、こっちの方が大変だったよ。



「いや…あいつ、明るい奴だったろ。いつまでも落ち込んでると呪われそうじゃねぇ?」


本当は、同居を断ると呪われるんだ。


「だよな!明るくてかわいかったのに」

村上?…知らねぇって怖いな。

「まぁ、俺もフツウに落ち込んではいたけどな」
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