俺と葉月の四十九日
俺も気を付けねぇと、ブル田同様一人芝居に見られる恐れがあるな。
安田と居る時は周りをよく見よう。

ブル田見てると、生きた勉強になるな、マジで。


「お兄ちゃん、周りを見ないんですよね…」

俺の隣でかき氷を食べつつ、マオちゃんは苦笑い。

確かに見てない。
客観視が欠けてるよ。


「マオちゃん、かき氷食べてるんだ?うまそう〜」

村上は、マオちゃんの前に屈み込む。

目がキラキラしてる。
かき氷にではなく、マオちゃんに。

マオちゃんは、村上のストライクゾーンど真ん中対象であったらしい。
確かにかわいいけどな、この子。


ブル田とマオちゃんを紹介した時、村上は大騒ぎだった。

「何だよ三谷ぃ〜!俺へのサプライズ?」

ブル田は気の毒な程、NO眼中だった。
まぁブル田は全く気にせず、ああして安田と遊んでるけど。


村上は、それからずっとマオちゃんかわいいを連発、つかず離れずそばにいる…。
嫌われるぞ?


しかしマオちゃんはいい子。
ニコニコと村上の相手をしている。

「村上さんもかき氷食べますか?海の家に売ってましたよ?」
「マオちゃんが食べてるから美味しそうなんだよ」

オイ、村上?
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